とびしま海道のレモン

肥料や農薬の使い分け

広島とびしま海道の真ん中にある、豊島(とよしま)で安全で美味しいレモン栽培にチャレンジしている農家さんへ特別栽培の方法と、レモンの収穫について勉強してきました。無農薬レモンという言葉をよく耳にするのですが、農薬を使わないということは、「ほぼ野生(?)」なのか。というと、全くそうではないそうです。
畑で使う肥料は通常の化学合成された肥料ではなく、有機認定を取ることのできる石灰や油など、割高ではあるけど、安心して皮ごと食べてもらえるものばかりだそうです。
堆肥や農薬代わりに使用しているのは、木酢やかんすいなど有機栽培認定をうけることのできるものばかり。効き目が強くない分、使い方もコツがあるそうです。
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香りが命。

レモンというのは香りが命。その香りのほとんどが「ゼスト」と言われる表皮に含まれています。
防カビ剤や、防虫剤などそういったものを使ってしまうと、その表皮にそれらが付着してしまい、簡単には落とせなくなってしまいます。
中性洗剤で食器のようにスポンジを使ってゴシゴシ落とすと、落ちなくもないのですが、香りの成分である香油も一緒に流れ出してしまい、せっかくのレモンが台無しになってしまいます。
洗わなくても食べられるレモン。輪切りで飾ったり、漬け込んだり。食事中、指先で絞って平気なレモンというのは案外少ないのかもしれません。
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レモンの木はトゲだらけ

トゲだらけのレモンの木は、そのままにしておくと風が吹くだけでその実が傷つくことも多く、余分な枝を一本ずつ落としながら、一つの枝に沢山実が付きすぎないよう間引く作業をおこなうそうです。夏の時期、草むしりをしながら、次々生える新芽を摘む作業は、想像するだけで気の遠くなるような地道な作業です。
夏のイメージが強いレモンですが、じつは、2月頃に完熟期を迎えます。夏には小さな青い粒だったレモンの実が秋を迎えどんどん大きくなり、島の最低気温が10℃を下回る頃、ようやく黄色に色づき始めます。瀬戸内ではちょうど牡蠣の出荷が始まるこの時期、島では酸味は強く香りも若々しいさわやかなグリーンのレモンが出荷最盛期を迎えています。広島のレモンは10月から11月中旬が緑色、それから少しずつ糖度も上がり、黄色くなったレモンが出荷され始めます。そして2月の完熟期にはレモンは糖度も上がり、香りも柔らかくなっていきます。
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流通の過程で表皮が傷むという現実

通常一般の店頭に並ぶ国産レモンの流通経路は 収穫→集荷→洗浄→選別→箱詰め→市場→小売店→袋詰め→お客様へ と長い旅の間に、ゴロゴロと容器を移されながら皆様の元へ運ばれます。
しかし、その「ゴロゴロ」の旅で、大切な表皮は傷む一方。少しずつあのフレッシュな香りが抜けていきます。
レモン本来の香りをお客様のところへ届けるため、そういったゴロゴロの旅をせず、洗浄機なども使用せず、表面に付着したものを乾いた柔らかい布でやさしく拭き取り、一つずつ丁寧にクッション入りの箱に並べられます。
とれたてのレモンには、表面にうっすら油が浮き、ワックスなんてしなくてもツヤツヤの状態です。
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レモン畑